単語ルーレットで出たワードで小話を書いてみる



 

皆さんこんにちは、こんばんは、生きてます。 サンケン6でございます。

 

ブログを書くにあたり文章力を高めたいと思いまして、今回はちょっとしたトレーニングをやっていきたいと思います。

 

 

何をするのかと言えば、ランダムで提示される3つの単語を使って、作文をしていこうという試みでございます。

 

みなさんも学生時代、国語の時間で経験があるのではないでしょうか?

 

「○○と××と△△の単語を使って、文章の内容を簡潔にまとめなさい」

 

・・・みないな。

 

テストの問題とかで出題されると『うっわ、クッソ面倒ぅくせぇ』って気持ちしかないですけれど、今回は軽くゲーム感覚でやっていこうと思います。

 

 

 

※ 本アカウントの趣旨は、年齢30歳を過ぎて仕事を辞めたおっさんがブログを書くことにより、生存報告をするというものになっております。

 

※ 食事を見ればその人間が現在どんな生活レベルにあるのか分かりやすいと思うので、以下に昨日の夕飯の画像を載せております。

 

昨日の夕食



 

小話を書くための下準備をする

 

3つの単語

 

まずは小話の作成条件となる3つの単語を決めなければいけません。

 

ただ、「○○」と「××」と「△△」というようにこちらに書いてみても、わたくしが本当にランダムで選んだ単語かどうか、証明できないんですよね・・・

 

 

そこで今回は、ブラウザ上で利用できる以下「ランダム単語ガチャ」の抽選機能を使用させていただきました。

(引用元:ランダム単語ガチャ

 

抽選の結果として、「絶対」と「へそ曲がり」と「手品」の3つの単語を使って文章を書いていきたいと思います。

 

※各単語の使用箇所は赤色で表記しています。

 

 

 

文章の大筋

 

先にお伝えしておきますと、文章の大筋はできておりますので、こちらでは肉付けをしていく作業がメインとなっております。

 

この度は初回ということで、まずは量感をつかむことを目的として余裕をもって2日間に分けて書いていこうと思いますので、悪しからず。

 

 

 

小話「腕なしピエロ」

 

『つーまんね』

 

座り心地の悪いパイプ椅子にふんぞり返りながら、俺はこの日一番の退屈をかみしめていた。

 

 

何が楽しくて、こんな子供だましのマジックショーを見ていなければいけないのか。

 

 

あぁ、早く帰って「デビハン」の続きがやりたい。

 

退屈を紛らわせるように思いをはせるのは、おれがこのところ毎日のようにやりこんでいるテレビゲーム、「デビルズハンター2G」。

 

四天王の最後の一人がなかなか倒せなくて一昨日から苦心しているのだが、3日後にはゲームを兄ちゃんに返すことになっているから、今日は何としても先に進めなければ。

 

 

まぁ、ちぃとばっかし約束を過ぎたところで、どうせ人がいい兄ちゃんのことだ。

 

別に怒ったり、催促したりとかは、しないだろうけど・・・

 

おれとしては、やはり少し気が引ける。

 

 

実はと言えば、おれはこの前ほかのゲームを貸してもらったときに、間違って、ずっと前に兄ちゃんがたたき出した最速記録のクリアデータを消してしまっていた。

 

その時も兄ちゃんは、

 

『また記録更新すればいいから』

 

なんて言って許してくれたけど、今の兄ちゃんにあんな記録を出すことは無理なんじゃないかというのが、おれの正直な感想だった。

 

 

だから、それ以来おれはゲームの貸し借りにおいて小さなミスもしないよう、気を付けているのだ。

 

なんだか、兄ちゃんの人がいいのに付け入るような感じがして、あまり気分が良くないから。

 

 

そう。

 

兄ちゃんは昔から人がいい。

 

古いゲームをたくさん持っていて、おれが今まで興味を持ったものは全部貸してくれた。

 

ソフトもハードもいっぺんに持って行って良いって。

 

 

そんなだから、お小遣いを貯めるのが苦手なおれでも、遊ぶゲームに不自由したことはなかった。

 

時たまにグラフィックがきれいな最新ゲームのコマーシャルに興味を惹かれることもあるけれど、ドットの荒いゲームも味があって十分に楽しめる。

 

 

そういえば前に一度、兄ちゃんは最新のゲームに興味はないのかと、聞いてみたことがあっただろうか。

 

確かその時は、

 

『興味がないことはないが、操作についていけなくてな』

 

なんて言いながら右肩を『パシッ』と左手ではたいて、冗談めかしていたっけ。

 

 

あの寄り目をした兄ちゃんの何とも言えない顔ときたら。

 

おれは、その表情を思い出しかけて、少しだけ笑いがこみ上げそうになってくる。

 

 

その時。

 

『ドッガシャーン!!!』

 

 

突然、耳をつんざくような大きな音が響き渡り、俺が退屈真っただ中の現実に戻ってくる。

 

どうやら回想にふけるあまり、しばらく上の空になっていたらしい。

 

 

俺は音にビビッて少し体が跳ねてしまったのを、うぅんと伸びをしてごまかしつつ、ひとまず気を取り直す。

 

そして何事が起ったのかとあたりを見回すと、ステージの真ん中で、それが横たわっていることに気づいた。

 

 

さっきの音の原因となった張本人。

 

いつの間にかマジックショーに登場したピエロが、バケツに片足を突っ込んで盛大にずっこけているところだった。

 

 

 

 

 

ステージの上ではあいも変わらず調子の抜けた音楽に合わせて手品師がネタを披露し続けているが、そのどれもが、どこかで見たことがあるような使い古されたものばかり。

 

あまりの芸のなさに早々に見切りをつけたクラスメイトたちが数人、さっきこの体育館を抜け出していってしまったのをの思い返しながら

 

『俺もバックレれば良かった』

 

なんて後悔しながら、5回目のあくびが出て目をこする。

 

 

今日は年に一度の学園祭。

 

俺の通っているこの中学校では毎年の恒例行事となっている。

 

学園祭とはいうものの高校や大学とは違い生徒の自主性はほとんどなく、あらかじめ学校側が用意した催しを適当に回るだけ。

 

このマジックショーも、そんな催しの1つとしてわざわざ招待されてきたものだ。

 

別に何を企画しようが学校の勝手だが、このショーだけは例外。

 

午前中一杯をつかって学年ごとに順番でショーを見るよう、きっちりとタイムスケジュールが組まれていたものだから、他を回るつもりでいた多くの生徒から不満の声が上がっていた。

 

まぁこっちから招待しておいて『お客さんが集まりませんでした』じゃバツが悪いから、最低限の配慮ってやつなんだろうけど。

 

まったく、大人の都合に振り回される俺らの身にもなってほしい。

 

しかも、よりにもよってなんで、俺ら2年生の順番が一番最後なんだ?

 

また、あの押しの弱い学年主任のせいか?

 

早くしないと、楽しみにしいてた屋台のコロッケサンドが売り切れてしまう。

 

 

 

 

 

結局、ショーが終わったのは12時30分を回ったころ。

 

おれは体育館からダッシュでお目当ての屋台に向かったものの、着いた先の屋台の脇に裏向きで「コロッケサンド」と書かれた看板が立てかけられているのを見て、なんとなく状況を察した。

 

しかし、まだ営業準備中という可能性も残っている。

 

コロッケサンドを諦めきれなかったおれは思い切って、近くにいた店主と思われるおじさんに店の開店時間について尋ねてみた。

 

すると、おじさんは少し驚いたような顔をしながら、おれの方を振り返ってくる。

 

どうやら何か作業の途中だったようで、おれの言ったことが上手く聞こえていなかったらしい。

 

『おれ、コロッケサンド買いに来たんですけど・・・』

 

今度は率直に用件を伝えると、おじさんは状況を飲み込んで、首から下げていたタヲルをはずしながらおれに向き直り、

 

『あー、ごめんね、今日はもう終わっちゃったんだよ。』

 

と答えてくれた。

 

やっぱりな。

 

9割がた予想はしていたけれど、少しばかりすきっ腹にこたえる。

 

『そうですか、ありがとうございました。』、

 

『お仕事中お邪魔しました。』

 

そうお礼を言って、おれがおじさんにカクっと頭だけを少し下げて見せると、おじさんの方も軽く片手を上げながら会釈を返してくれた。

 

そして、おじさんが屋台の骨組みを取り外しにかかったのを見て、おれはがっくりと肩を落とし、しかたなく自分のもと来た方向へと足を向けたのだった。

 

 

 

 

 

俺は腹が立っていた。

 

実はコロッケサンドの屋台を後にしてから他の店も回ってみたのだが、目ぼしいものはすでに、全て売り切れてしまっていたからだ。

 

かろうじてありつけたのは、あんぱん二つと200ミリリットルのパック牛乳一本だけ。

 

なんだよあれ。

 

どこにでも売っているような袋パンと牛乳なのに、コンビニより割高じゃんか。

 

なにより、俺はつぶあん派だってのに。

 

つまらないマジックショーのために昼食のあてをつぶされたあげく、他にまともな選択肢もないなんて、本当に冗談じゃない。

 

その上、さっきバックレたクラスメイトたちが美味そうにコロッケサンドをほおばっているのを見かけたものだから、余計に頭にきている。

 

俺は教室の前まで戻ってくると、たてつけの悪くなった引き戸のつっかえるのも構わず、力任せにずらし開いた。

 

 

なんだ?

 

少しばかり教室が騒がしい。

 

何事かと思い、適当なグループに割って入ってよくよく話を聞いてみると、どうやら意外なことにさっきのマジックショーの話題で盛り上がっているようなのだ。

 

『あのピエロの切断マジック、マジヤバくなかった?』

 

ここでみんなが話している切断マジックというのは、ショーの最後の山場に披露されたパフォーマンスで、手品師が巨大な剣でピエロの右腕を切り落とし、再びくっつけるというものだ。

 

たしかに、他のマジックはどう考えてもトリックが見えみえだったのに、あのときピエロが腕を切り落としたカラクリは見当もつかなかった。

 

だから、クラス全員で各々が考えるトリックの予想を披露しあっているうちに、だんだんとヒートアップしていったということか。

 

 

なるほどねぇ。

 

そんなクラスメイト達の様子を見て、俺はある一つのへそ曲がりな考えが頭に浮かび、次にそれが口をついて出る。

 

『おまえら、そんなに気になるんだったら、俺があばいてきてやろうか?』

 

『ぇあ?』

 

隣にいた一人の男子が馬鹿笑いをやめて、つぶれたカラスのような鳴き声を上げる。

 

『だから、俺があのピエロの腕の秘密、突き止めてやるって言ってんの!』

 

『マジックショーは午後も公演予定があるから、あのピエロは今ごろステージ脇の控室で休憩をとっているはずだ。』

 

『分かるだろ? 潜入するんだよ!!』

 

俺が一層大きな声で言い放つと、一瞬あたりが静まりかえったが、ややあって、つぶれたカラスがもう一声を上げた。

 

『やめとけよ、さすがにそれはヤバいって。』

 

なんだよ。

 

おまえらその程度かよ。

 

腹が立っていたせいで、俺もいつもより少し勢いづいていたのかもしれない。

 

予想外に周りのノリが悪いことが面白くなくて、クラス全員を一瞥(いちべつ)してからフンっと鼻を鳴らした。

 

念のため、他についてくるやつがいないかと思い呼び掛けてはみたが、みんな興味はあるものの、リスクを冒して潜入するまでの気はないようだ。

 

いつもは先生たちに反抗しまくっている悪ガキどもでさえ、外部の人間に手を出すのはマズイと考えているらしい。

 

意気地なしどもめ。

 

 

普段の俺ならここでシラけてしまって、実行には移さなかっただろう。

 

だが今日の俺には、あのマジックショーに個人的な恨みがある。

 

下に恐ろしきは食い物の恨み。

 

コロッケサンドを食いそびれた憂さ晴らしに、おまえらの秘密を学校中に言いふらしてやる。

 

午後のステージにあのピエロがどんな顔で立つかと思うと、今から楽しみでしかたがねぇ。

 

覚悟しとけよ、「腕なしピエロ」!!

 

 

 

 

 

ステージ脇の控室前。

 

ここまでは拍子抜けするほどすんなりと来られてしまった。

 

途中で2度ほど先生に声をかけられたが、どうせ午後はフリータイムだから、どこにいようがとがめられることはない。

 

むしろ、マジックショーのために早く体育館に行って良い席を確保しておきたいなんて言ったら、笑って送り出してくれた。

 

もちろん嘘はついていない。

 

俺専用の特等席で、あのピエロの裏のうらまでしっかりと見てやる。

 

 

しかし静かだ。

 

ここに着いてかれこれ5分。

 

舞台袖の幕の陰に隠れて様子をうかがっているが、人の気配どころか、中から物音ひとつしない。

 

出かけている?

 

確証はなかったが、しびれを切らした俺は意を決して、控室のドアをノックした。

 

もしも誰かいたら、適当に応援の言葉でもかけて出直せばいい。

 

だがそんな俺の心配をよそに、中から返事はなかった。

 

 

そっとドアノブに手をかけ、回す。

 

ぐいと力を込めて、ほんの指一本分ほどだけドアを開けると、『カチャリ』とラッチが音を立てた。

 

中からの反応はない。

 

 

指三本分。

 

そのすき間に顔の片側をひっつけて、中の様子を覗き見る。

 

いないぞ。

 

 

俺はもう、思い切ってドアを開けて中に入り、急いで、それでいて静かに閉めた。

 

やはり、控室の中には誰もいない。

 

 

俺は安心して力が抜けそうになったが、まだ目的を果たしていないことを思い出し、頬を張って気合を入れなおす。

 

今が絶好のチャンスだ。

 

このままどこかに隠れて、ピエロが戻ってくるのを待ち伏せよう。

 

 

幸いにも隠れ場所はすぐに見つかった。

 

控室の奥の方、壁ぎわに寄せるようにして、学園祭の開会式で使った演台が置かれている。

 

ショーの邪魔になるからと、とりあえずここに運び込まれたのだろうか。

 

何にせよ、ピエロを待つには好都合だ。

 

 

俺は演台と壁のすき間に体を潜り込ませ、息をひそめる。

 

さぁ、準備は整った。

 

これより潜入ミッションを開始する。

 

 

俺はまるでスパイにでもなったような気分で、興奮して息遣いが激しくなるのを抑えつつ、ターゲットであるピエロのことを思い返す。

 

 

それはそうと、あのピエロどんな格好してたっけ?

 

たしか、ダサいメイクにへんてこな付け鼻と付けヒゲ、それにいびつな形のメガネ。

 

腕と足と、特にお腹まわりが風船でも詰めたようにパンパンにふくれていて、ピンクと黄色のスパンコールがチカチカする服には女性アイドルが着る衣装のようなフリルがたくさん付いていたはずだ。

 

いい歳してあんな格好して恥ずかしくないのかよ。

 

俺が大人になったら、あんな仕事はゴメンだね。

 

おまけに大勢の観客にあんなに笑われてさ。

 

さっきのショーでのピエロの情けないパフォーマンスを思い出し、俺は思わず顔が引きつった。

 

 

それはそうと、ピエロはいつ戻ってくるだろうか。

 

午後の公演までにはまだ少し時間があるはずだ。

 

 

いや、待てよ?

 

そもそも他の演者が先に戻ってくる可能性だって十分にあるじゃないか。

 

それに人数が増えれば、身動きも取りづらくなる。

 

もし見つかったら、ピエロの秘密を言いふらす俺の作戦も全て水の泡だ。

 

こんな奥の方に隠れていたら、余計に抜け出すのが難しくなるぞ。

 

 

そう思うやいなや、俺は演台の陰から出ようと身をよじらせた。

 

その時だった。

 

『カチャリ』

 

控室のドアが開いて、誰かが入ってきたのは。

 

つづく